一人ではない [日記]

 風はあるようでベランダに干したバスタオルが飛び跳ねています。
ガラス戸越しにみる空は澄み切った空色、とても師走とは思えぬ穏やかな風情です。
残念ながら今日は富士山は真っ白い雲に隠れて見えません。
 
上京四日目の昼下がり昨夜娘と婿殿が帰ったので、久しぶりにパソコンに向かっています。
 
 先日の飛行機は割合よく利用する私が、もしかして今までで最高?と思うくらい素敵なフライト。
いつも通路側の座席を取るのですが、ほとんど満席状態なのに、三人掛けの真ん中は空席。
 静かで離陸の時一瞬ガタガタ揺れた気はしたかなあ。とにかく着陸までまったく揺れません。
大体イヤホーンで音楽を聴くのがいつものパターンですが、今回は体調イマイチということもあり
備え付けの雑誌をなんとなく読んでいました。
 
 そして聞くともなく斜め後ろの座席の二人の話が耳に入ってきました。
 どうも今回席が隣り合わせになっただけの人のようなのに、乗って来た時から到着するまで
ずっと話し込んでいました。

 お喋りのくせに知らない人には、話しかけることのできない私にとっては気になる事態?
それとなくちらっと振り返り二人の人物を確認しました。
 話の内容から想像していた通り年配の男女でした。

 彼は退職後奥様の故郷の私の住む街に住みつつ東京にも自宅があるようで、時々上京するらしい。上品ないいとこの旦那様風でした。

 「いいなあ。羨ましい理想の老後ではありませんか。」.....私の影の声

 女性の方は彼より五、六歳は若い感じでちょっとふっくらした優しそうな人。
彼女は今日東京である「第九を演奏する」コンサートに行くとのこと。

 実はこの話が聞こえてきた時、それまでなんとなく聞いていた彼らの話に俄然私は興味を覚え、かなり熱心に聴き耳を立てる結果となったのであります。

 だって師走の忙しい時期、わざわざ普通の人が東京までコンサートに行きますか。
私頭古いかのもね。それとも非常識?

 「理解のあるお金持ちの旦那様のいる奥様?いや独身の優雅な老後を送っている人」....私の影の声

 「今夜はお友だちの家えでもお泊りですか」
 「いいえホテルとっていますので」
 「それでは、お気を付けてコンサート楽しんできて下さい」


 一時間十五分ずっと話し続けていた二人、今日初めて会った二人、年配の男女の二人。

 私は年のわりには一応進歩的な考え方をする方だと思っています。
でもこの位のことに、異常に反応するっておかしいでしょう。
 人間、生まれ持った性格や長い間に培われた価値判断がそう簡単に変わるものではないのかなあ。


 私は一人です。一人が好きです。
 本当は寂しがり屋のくせに強がりの衣をいっぱい纏って、そっくり反っている私?
若い時は一人が本当に好きだったのになあ。何故


ああそうでした。年のせいにしよう。

 帯状疱疹になった時、原因は疲労やストレス、加齢などとネットで見て
「私ストレスなんかないのになあ」

「一人でいることがストレスなんだよ」娘が言いました。

「東京にでておいで」
「絶対に嫌」
子供たちが諦めてなにも言わなくなって十二年過ぎました。

 一人ではない....そうですね。.考え方や行動ひとつでそう出来るのかもしれません。

 また一つ年を重ねてわが行く末をどう想像できるか。楽天家のdanさんはさて?






 

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