秋が来た! と思われるのに
暑い暑いと呪文のように唱えていた九月も今日で終わり。
期待していたように、このところ風は確かに涼やかで、空は惚れ惚れするほど真っ青。
時には白くちぎれた鰯雲、ついにんまりしてしまうのです。
庭の秋明菊もその気高い白い花を開いたし、稲穂も畔に咲く彼岸花も赤く力強く燃えています。
それなのに今日はまたまた三十度超え。エアコン出動です。
明日からは予定が目白押し。出かける用事もあるのに予報は雨と曇り、そして気温は三十度。
一週間ほど前には夜が来ると虫の声が美しくて、嬉しがっていたのに。
のにのにと、のにバアサンの恨み言が続きます。
それでも少し日差しが陰ると途端に秋の気配が漂うから不思議です。
秋祭りもすぐで子供たちの元気なお神輿が回ってくる頃には少し涼しくなるでしょうか。
今日は近所の方がよかったら行きませんか。とスーパーに連れて行って下さいました。
もうびっくり、かートにいっぱいの買い物を乗せてごった返している店内。
ああそうだ、明日から消費税が10%になるのだった。
人生頑張っていた頃を懐かしく思い出しました。
そして秋どころか冬も終わりに近い今の自分のことを考えると苦笑い。
まあ大好きなスポーツの季節精々楽しみましょう。
先日のラグビー良かったです。
窓の外は風の気配もありません。気持ちだけでも涼し気にしていましょう。
期待していたように、このところ風は確かに涼やかで、空は惚れ惚れするほど真っ青。
時には白くちぎれた鰯雲、ついにんまりしてしまうのです。
庭の秋明菊もその気高い白い花を開いたし、稲穂も畔に咲く彼岸花も赤く力強く燃えています。
それなのに今日はまたまた三十度超え。エアコン出動です。
明日からは予定が目白押し。出かける用事もあるのに予報は雨と曇り、そして気温は三十度。
一週間ほど前には夜が来ると虫の声が美しくて、嬉しがっていたのに。
のにのにと、のにバアサンの恨み言が続きます。
それでも少し日差しが陰ると途端に秋の気配が漂うから不思議です。
秋祭りもすぐで子供たちの元気なお神輿が回ってくる頃には少し涼しくなるでしょうか。
今日は近所の方がよかったら行きませんか。とスーパーに連れて行って下さいました。
もうびっくり、かートにいっぱいの買い物を乗せてごった返している店内。
ああそうだ、明日から消費税が10%になるのだった。
人生頑張っていた頃を懐かしく思い出しました。
そして秋どころか冬も終わりに近い今の自分のことを考えると苦笑い。
まあ大好きなスポーツの季節精々楽しみましょう。
先日のラグビー良かったです。
窓の外は風の気配もありません。気持ちだけでも涼し気にしていましょう。
春子さんの茶の間 その12 [短編]
連日の猛暑にげんなりの春子さん。
二週間前に涼しい風が渡り、小学校の四本のポプラの木が秋色の青い空に突き刺さったように
緑の葉っぱと溶け合っていた。
ああ秋が来た。春子さんは心の底から嬉しかった。
それほど今年の夏の暑さは尋常ではなかったのだ。
爽やかな毎日が一週間続いて、もう夏服はいらないなあ。
ところがまた暑さが戻ってきて連日の32度が留まらない。一度涼しくなった分余計きつい。
午後からはエアコンの中にどっぷり、何をするでもなく得意のノラを決め込んでごろごろ。
日が傾きかけて少し涼しくなったので外に出ると、隣の家のご主人が立っていた。
「こんにちわ。一人だから気になるんですよ。変わりないですか」にこにこと声をかけてくれた。
やれやれ同い年なのに年寄り扱いしないでと思いつつ
「はい有難うございます。元気ですよ。まあ血圧のお薬一つは飲んでいるけど」
といらぬことまで言ってしまったとまた思う。
ふだんおせっかいだと思って嫌がっている気持ちが春子さんの場合はすぐ言葉になって現れる。
いつも娘に「一回考えてから口に出すように」と言われているのに。ほほほ。
彼が長柄バサミを持っていたので一瞬嫌な予感がした。案の定我が家の塀越しに木にハサミを入れながら
「この枝、窓に覆いかぶさって風通しが悪いでしょう」
この窓はブラインド型で、風通しよりデザインを重視したもの、春夫さんと春子さんのお気にりの窓なのだ。
「それ百日紅の木で可愛らしい花が咲くんですよ」
止めて下さいとは言えない春子さんの気持ちも伝わらず、パチンパチンとまだきっている。
我が家は庭のことは剪定も消毒も任せている職人さんがいることも知っているのに。
「他人の家の木を断りもなく切る○○じじい」
春子さんは心の中でありとあらゆる罵詈雑言を吐き続けた。
数日して庭木の消毒に来た職人さんが
「あれこの枝切ったんですか。これでは花は咲かないかも」
情けない思いで春子さんはぐどぐどと、いきさつを話した。
人間年をとると自分本位になりがちで、視野もぐっと狭くなり、人格さえ変ってしまう人さえいる。
隣のご主人は善意でやってくれたのだろう。春子さんが迷惑がっているなんて思ってもいない。
黙っていた春子さんが悪いのかもしれない。
後でぐどぐど言うのなら、その場で言いたいことは言える人でいたいなあ。
夜になって一人で考えていると複雑な気持ちで少し落ちこんだ。
せめて来年あの百日紅の可愛らしいピンクの花が咲いてくれたらいいのに。
きっと咲いてくれる。そう思うとなんだか穏やかな気持ちになれて、春子さんはちよっと笑った。
二週間前に涼しい風が渡り、小学校の四本のポプラの木が秋色の青い空に突き刺さったように
緑の葉っぱと溶け合っていた。
ああ秋が来た。春子さんは心の底から嬉しかった。
それほど今年の夏の暑さは尋常ではなかったのだ。
爽やかな毎日が一週間続いて、もう夏服はいらないなあ。
ところがまた暑さが戻ってきて連日の32度が留まらない。一度涼しくなった分余計きつい。
午後からはエアコンの中にどっぷり、何をするでもなく得意のノラを決め込んでごろごろ。
日が傾きかけて少し涼しくなったので外に出ると、隣の家のご主人が立っていた。
「こんにちわ。一人だから気になるんですよ。変わりないですか」にこにこと声をかけてくれた。
やれやれ同い年なのに年寄り扱いしないでと思いつつ
「はい有難うございます。元気ですよ。まあ血圧のお薬一つは飲んでいるけど」
といらぬことまで言ってしまったとまた思う。
ふだんおせっかいだと思って嫌がっている気持ちが春子さんの場合はすぐ言葉になって現れる。
いつも娘に「一回考えてから口に出すように」と言われているのに。ほほほ。
彼が長柄バサミを持っていたので一瞬嫌な予感がした。案の定我が家の塀越しに木にハサミを入れながら
「この枝、窓に覆いかぶさって風通しが悪いでしょう」
この窓はブラインド型で、風通しよりデザインを重視したもの、春夫さんと春子さんのお気にりの窓なのだ。
「それ百日紅の木で可愛らしい花が咲くんですよ」
止めて下さいとは言えない春子さんの気持ちも伝わらず、パチンパチンとまだきっている。
我が家は庭のことは剪定も消毒も任せている職人さんがいることも知っているのに。
「他人の家の木を断りもなく切る○○じじい」
春子さんは心の中でありとあらゆる罵詈雑言を吐き続けた。
数日して庭木の消毒に来た職人さんが
「あれこの枝切ったんですか。これでは花は咲かないかも」
情けない思いで春子さんはぐどぐどと、いきさつを話した。
人間年をとると自分本位になりがちで、視野もぐっと狭くなり、人格さえ変ってしまう人さえいる。
隣のご主人は善意でやってくれたのだろう。春子さんが迷惑がっているなんて思ってもいない。
黙っていた春子さんが悪いのかもしれない。
後でぐどぐど言うのなら、その場で言いたいことは言える人でいたいなあ。
夜になって一人で考えていると複雑な気持ちで少し落ちこんだ。
せめて来年あの百日紅の可愛らしいピンクの花が咲いてくれたらいいのに。
きっと咲いてくれる。そう思うとなんだか穏やかな気持ちになれて、春子さんはちよっと笑った。