穏やかな春の始まり

 暖冬の令和二年。悩まされ続けた風邪もやっと出て行きました。

穏やかなお正月、節分、立春、思うに毎年散歩をしながら口づさむ「早春賦」今年は
歌っておりません。 春は名のみの風の寒さよ.....


 我が家の近くに大学のグランドがありそれを囲むように樹齢50年にも及ぶ楠木が並んでいます。
 
 私たちが希望に胸膨らませて新居をここに建てたのもそのころでした。
まだ若木だった楠木の上に沈む夕日が本当に真っ赤で、二人でよく眺めたものでした。

 子供たちが巣立ち二人になっても、転勤や二人の仕事の都合で、さてこの家に二人で
いたのは何年位かしら。

 又一人になってしまった私はもう十四年近くここに一人でいます。
 嬉しいことに近所の人たちも好い人ばかりで、みなさん優しくして下さいます。

 私いつも娘に言っては笑われるのです。

「退屈はしないけど、それと寂しいのとは別物だよ」

 二月から又「源氏物語」を読む会が始まり毎週火曜日に二時間ほど出かけます。
二十余名、勿論原文で読みます。
 嬉々として出かけたら朗報が待っていました。

 源氏を読み切るには途方もない時間がかかるということで、講師の先生の発案で別に
「宇治十帖」を読む会も始めようと。

 また生きる目標が出来たと高齢者組は大喜び、他の人たちは多分六十代で頼りになります。

 次からは先生を囲んで食事でもしましょう。とこれまた嬉しいことです。

 元気で動けるからこんないいこともあるのだと、今更ながら両親に感謝の気持ちが募ります。

 「明日お寿司作るからそのつもりでいてね。」さっき近所の友から嬉しい電話です。

 私のお寿司好きは有名で、こういう申し出が時々あるのも嬉しいことです。

 そうそう近くにある「お好み焼き」にも皆で行こうと。

 暖かい早春人々の温かい繋がりが嬉しいです。

 寒波襲来「寒い寒い」とニュースでは言うのですが、カラス窓いっぱいに溢れる陽光は
穏やかで、一吹きの風さえありません。
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