行く春に  [エッセイ]

 一度に咲いた桜 早くも散って花の命は短くて! とつい呟いてしまいます。

つい先日近くの公園へ一人で桜を見に行って、あれやこれやを想い、青い

空を見上げてつい一粒。

 満開の桜は本当にきれいで何度も溜息をつきました。

 そんな時新聞で同期生の逝去を知りました。中学、高校と一緒で特に親し

かった訳でもない男性です。

 それが去年の高校の同期会の時、たまたま席が隣になり何十年か振りに

言葉を交わしました。

「私たちの中学はこの高校に入った人数が一番多いのに、なんで今日は

たった四人しか来てないのかねえ。」

 七十人も出席しているのに情けないと思いながら、次にはもっとみんなに

会たいものだと....。

 その時彼は元気そうで、今日は来てないけど中学の友人何人かでゴルフ

に毎月行っていることなと゛楽しそうに話していました。

 その彼がもう此の世にいない。新聞の上に涙がこぼれました。

 そうなのです。私たちの年齢になれば、人にあった時はこれが最後だとの

思いで、その時を大切にしなければいけないのだと実感しました。

 寂しいことだけど、いくら平均寿命が延びようとみんなが長生きするわけ

ではないのです。

 それから数日後、実家の隣のМさん七十八歳の訃報を聞きました。

彼が結婚した時お母さんが「うちの嫁です」と可愛い奥さんをつれてご挨拶

に来た日のことを思い出しました。

 そして昨日親友のお義姉さんが亡くなりました。八十一歳。二歳上の少し

認知症のある主人を残して。

 桜の花は愛しい人たちを何故連れて行くのでしょう。こんなに素敵な季節

なのに、どうして悲しい思い出を残していくのでしょう。

 今年もわが家の庭に、紫木蓮 アイリス 花蘇芳 が咲きました。

梅も松もさくらんぼも、植えてからもう五十年にもなります。

 全部若かった夫が自分で植えました。幹にコケが生えていたりして、その

歳月が偲ばれます。先日も草引きをしながら主は居なくても、花は咲き継ぎ

日は巡り、自然は何も変わらないのだと、つくづく思ったことでした。

 なにがあろうと、生きているもの、生かされているものはしっかりと前を向

いて歩いていかなければ。

無念にもあちらへ旅立った人たちの分まで頑張る責任があるような気が

してきました。

 光が満ちて若葉が映える五月がもう目の前まで来ています。

 元気をだしてもう一頑張りしましょう。     
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コメント 4

リンさん

知り合いの訃報は胸が切なくなりますね。
お察しします。
私の父は83ですが、ここ数年で往年来の友人を見送りました。
いちばんの長生きは誰かな…などと言っています。

暖かくなっていい季節です。
前を向いていきましょうね^^
by リンさん (2014-04-16 09:49) 

dan

そうですね。
四月二十四日上京の予定です。
楽しいゴールデンウイークにしたいと思っています。
リンさんも創作頑張って下さい。
有難うございました。
by dan (2014-04-16 10:07) 

rondo

ご無沙汰しております。いつの間にか葉桜に代って
夫の一周忌も済ませました。

気持ちを入れ替えて一人暮らしを楽しんでおります・・・
なんて書きたいところですが、まだもう少し。

友人のコンサートやら 後輩の発表会など時間を気にしないで楽しめるのはちょっといいことです。
ゴールデンウイークはご上京ですか。
環境が変わる事は、気持ちも変わりますよね。
by rondo (2014-04-17 01:04) 

dan

嬉しい お久しぶりですね。
お元気そうでなによりです。早一周忌でしたね。
まだもう少しというrondoさんの気持ちわかる
ような気がします。
お互い元気を出して頑張りましょう。
東京楽しみたいと思っています。
by dan (2014-04-17 09:52) 

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