満開の桜を巡りあちらこちらへ [日記]
今年は例年より十日も早く桜が咲き始めました。
一人でポツンと座っていると、無性に寂しくなって桜が見たいと思いました。
いつもならとっくに「お花見行くよ」と声をかけてくれる弟も、年度末とて仕事
が忙しいようで無しのつぶて。夫がいた頃急に思いついて弟夫婦とよく花見
に行きました。途中でお弁当を買って当てもなく出かけ、車を走らせながら
桜を探します。皆が行く名所は人がいっぱいで嫌だと、海の近くや山奥まで
時には地元の人が花を見ている公園の端っこで、お弁当を開いたことも。
あれからもう七、八年になるなあ。思いに耽っている所へ突然友だちがや
って来ました。「よかったら桜見に行かない!」以心伝心、私は飛びあがらん
ばかりに嬉しくて、二つ返事で彼女の車に乗りました。
午後二時の太陽は青い空の真ん中にあり、風もない絶好の桜日和です。
まず海の近くの桜を見ようと決めて走ります。途中小さな公園や民家の庭
にも桜の花が満開です。
海岸近くに車を止めて、下からは桜がまっ白に見える山に登ります。
行く山道の両側に椿の大木がそこここあり、紅や白の花を咲かせています。
もう黄緑に燃える若葉もみえて春たけなわの感一入です。
二人の息が少々荒くなったところで桜の森に着きました。満開、どの花も
しっかり開いて、咲ききっています。散る花びらは見えません。
「きれいねえ」二人が同時に上を向いたまま言って大笑いです。目の下に
ひねもす、のたりの瀬戸の海が、光っています。
やっぱり桜は上品で控えめで美しい、日本の花だと納得です。花びらの
色の美しさ、そのくせ幹から小さな枝を出してそこにしっかり花を咲かせる
力強さも感じさせて、不思議な木です。
お弁当たべたらもっとよかったね、と話しつつ山を下りました。
少し海岸を歩いてみようと言う友の言葉に内心ドキッとした私です。
実はここは私にとって忘れられない思い出の海なのです。
今から五十五年前の秋、二回目のデートをした場所。あの頃は今の防
波堤などなくて、白砂青松、夏は海水浴場として賑わっていたけれど、秋
の海は静かで波と戯れる子供が四、五人いただけでした。
私たちがお互いを意識してから二カ月くらいで二人とも遠慮がち。
実はこんなことすっかり忘れていたのですが、彼がいなくなってから、こ
の時のことが鮮明に思いだされるのです。
そしてよく一人でここにきて昔を偲びました。
だだ黙って歩いただけなのに、他市へ転職する彼と離れなければなら
ない切なさが身に染みたデートだったからでしょう。
不思議なことに後年、この海のそばのお店には何度も二人で食事にき
たのに、私も多分夫も昔のあのデートなど思い出しもしなかったのです。
感慨に耽りつつ無口になった私を友はきっと訝ったに違いありません。
桜見物に素敵なおまけまでついて上機嫌の私でした。
次は少し走ってお寺に向かいます。裏山や周辺に桜が沢山ある札所。
本堂にお参りすると三々五々お遍路さんの姿がありました。車をみると
奈良、福山、広島など遠くからの参拝のようでした。ここの桜は老木若木
と様々でやっぱり満開。春遍路の季節到来です。
最後はわが家の近くの小高い丘にある公園です。今を盛りと咲き競う
花の下で花見を楽しんでいるグループが数組、ご機嫌のようでした。
ここも昔二人で来たことがあります。将来この近くに住むなんて思っても
いなかった頃、写真があるのですが四月三日、写っている桜の木は細い
若木ばかり、花もちらほら。
今五十年の時を経てこんなに大木になり、こんなに素敵な花をいっぱい
咲かせて私たちを喜ばせてくれています
ここには毎年家族で来たり町内会で来たり桜を存分に堪能させて頂きま
した。
思いがけなく誘われての桜めぐり、本当に楽しい数時間でした。私の心
をきっと分かってくれての友のご厚意。とても嬉しく感謝の気持ちいっぱい
です。それに私にとっては最高の思い出の地巡りでもありました。
心をこめて友に感謝てす。ありがとう!!
一人でポツンと座っていると、無性に寂しくなって桜が見たいと思いました。
いつもならとっくに「お花見行くよ」と声をかけてくれる弟も、年度末とて仕事
が忙しいようで無しのつぶて。夫がいた頃急に思いついて弟夫婦とよく花見
に行きました。途中でお弁当を買って当てもなく出かけ、車を走らせながら
桜を探します。皆が行く名所は人がいっぱいで嫌だと、海の近くや山奥まで
時には地元の人が花を見ている公園の端っこで、お弁当を開いたことも。
あれからもう七、八年になるなあ。思いに耽っている所へ突然友だちがや
って来ました。「よかったら桜見に行かない!」以心伝心、私は飛びあがらん
ばかりに嬉しくて、二つ返事で彼女の車に乗りました。
午後二時の太陽は青い空の真ん中にあり、風もない絶好の桜日和です。
まず海の近くの桜を見ようと決めて走ります。途中小さな公園や民家の庭
にも桜の花が満開です。
海岸近くに車を止めて、下からは桜がまっ白に見える山に登ります。
行く山道の両側に椿の大木がそこここあり、紅や白の花を咲かせています。
もう黄緑に燃える若葉もみえて春たけなわの感一入です。
二人の息が少々荒くなったところで桜の森に着きました。満開、どの花も
しっかり開いて、咲ききっています。散る花びらは見えません。
「きれいねえ」二人が同時に上を向いたまま言って大笑いです。目の下に
ひねもす、のたりの瀬戸の海が、光っています。
やっぱり桜は上品で控えめで美しい、日本の花だと納得です。花びらの
色の美しさ、そのくせ幹から小さな枝を出してそこにしっかり花を咲かせる
力強さも感じさせて、不思議な木です。
お弁当たべたらもっとよかったね、と話しつつ山を下りました。
少し海岸を歩いてみようと言う友の言葉に内心ドキッとした私です。
実はここは私にとって忘れられない思い出の海なのです。
今から五十五年前の秋、二回目のデートをした場所。あの頃は今の防
波堤などなくて、白砂青松、夏は海水浴場として賑わっていたけれど、秋
の海は静かで波と戯れる子供が四、五人いただけでした。
私たちがお互いを意識してから二カ月くらいで二人とも遠慮がち。
実はこんなことすっかり忘れていたのですが、彼がいなくなってから、こ
の時のことが鮮明に思いだされるのです。
そしてよく一人でここにきて昔を偲びました。
だだ黙って歩いただけなのに、他市へ転職する彼と離れなければなら
ない切なさが身に染みたデートだったからでしょう。
不思議なことに後年、この海のそばのお店には何度も二人で食事にき
たのに、私も多分夫も昔のあのデートなど思い出しもしなかったのです。
感慨に耽りつつ無口になった私を友はきっと訝ったに違いありません。
桜見物に素敵なおまけまでついて上機嫌の私でした。
次は少し走ってお寺に向かいます。裏山や周辺に桜が沢山ある札所。
本堂にお参りすると三々五々お遍路さんの姿がありました。車をみると
奈良、福山、広島など遠くからの参拝のようでした。ここの桜は老木若木
と様々でやっぱり満開。春遍路の季節到来です。
最後はわが家の近くの小高い丘にある公園です。今を盛りと咲き競う
花の下で花見を楽しんでいるグループが数組、ご機嫌のようでした。
ここも昔二人で来たことがあります。将来この近くに住むなんて思っても
いなかった頃、写真があるのですが四月三日、写っている桜の木は細い
若木ばかり、花もちらほら。
今五十年の時を経てこんなに大木になり、こんなに素敵な花をいっぱい
咲かせて私たちを喜ばせてくれています
ここには毎年家族で来たり町内会で来たり桜を存分に堪能させて頂きま
した。
思いがけなく誘われての桜めぐり、本当に楽しい数時間でした。私の心
をきっと分かってくれての友のご厚意。とても嬉しく感謝の気持ちいっぱい
です。それに私にとっては最高の思い出の地巡りでもありました。
心をこめて友に感謝てす。ありがとう!!
2013-04-03 11:31
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コメント(4)
ご無沙汰しております。
くだらない…スポーツネタですが、
今後も、宜しくお願い候・・・
それでは、またお邪魔させて頂きます。
by ENO (2013-04-03 21:28)
素敵な思い出がたくさんあるんですね。
お花見、今年はなかなかできません。
週末ごとに雨なんですもの＾＾；
danさん、いいお友達がいて羨ましいです。
by リンさん (2013-04-04 23:49)
リンさん
この週末も雨のようですね。
いつまでも昔の思いでばかり追っている私
おかしいでしょう。ハイ!思い出ならいっぱい
誰にも負けないくらいあります。
こんな私に誰がした!(笑い~)
by dan (2013-04-05 10:10)
今年の桜は早くに開きました。
8分咲きの桜並木の中、夫が逝ってしまいました。
先月のお彼岸に肺炎で急死でしたので、身も心もはがれる思いです。
悲しみの中、やることが沢山あって昼間はいいのですが、夜がね・・・
ごめんなさい。danさんならわかってくださるような気がして書き込んでしまいました。
by rondo (2013-04-09 18:00)