雨水 春へ一足づつ [日記]

 久し振りの雨。それも終日降り続くという。
別に出かける予定もないので、気持ちもゆったりして自由だ。(いつも自由ではありませんか)

 庭の白梅が小さい花を開き始めた。お隣の白梅はもうとっくに咲いてとてもきれい。
種類が違うのだろう。我が家のはいかにも小ぶりで五つ六つなる梅の実も可愛らしい。

 さくらんぼの花も少し膨らんで春を待っているようだ。水仙はまだまだしっかり咲いているし
嬉しいことに今年も早々とエヒメアヤメの紫が優しい。

 夕方の一人歩きの時は道の端の草花たちと話をしながら一人笑い。
一日中口をきかない日の方が多いのだから、慣れたと言っても侘しい一人住いではある。  

 当市には独居老人で、福祉の恩恵に(例えば緊急時電話など)預かっていない人で希望すれば
週二回ヤクルトが頂ける。生存確認も兼ねていて「こんにちわ!お元気ですか」とヤクルトを
手渡してくださるのだ。
民生委員さんから進められ半年ほど前から私もその恩恵によくしている。

 私の担当の方はいつもにこにこと大きな声で「お元気ですか」ととても気持ちがいい。
大体約束のお昼頃。私も元気が出て玄関で少し立ち話をすることもあった。
小学生と保育所、二人も子供さんがいると聞いて若いの頑張っているなあと感心していた。
 ところが二月になって突然辞めることになりましたと、ご挨拶に見えた。
「ええ、残念ね、暇なときコーヒーでもと言っていたのに、また急にどうして?」
彼女はにこにこと
「三人目出来ちゃったのがわかって」
「素晴らしい。それならおめでとうと言うしかないね。」

 突然のことでお礼の何かと思っても.....小さなチョコレートのひと包みしかない。
それでも彼女は嬉しいととても喜んでくれた。私も
「有難う。元気でいい赤ちゃんが生まれますように」
短い間だったけれどこういう人たちが、訪ねてくれたら独居老人もきっと嬉しいと思う。

 その時次に来て下さる人も一緒で、これからは午前中に来て下さるという。

時間は特に気になる私だから気を付けているのだけどその時以来私は一度も彼女に会っていない。
「あれえ遅いなあもう十一時半だよ」と牛乳箱開けてみたらヤクルトが入っている。
一度だけ仕方なく留守にしたら手書きのメモは入っていた。
 
 昨日「みなさんお元気ですか」という福祉協議会とヤクルト販売が作ったらしい葉書くらいの
メモ用紙が入っていた。
これは月に一回配達証明のようなもので印鑑を押していた用紙だ。

 私は年甲斐もなく腹が立って来た。前の彼女とは話しながら感謝の気持ちをこめて印鑑を押していたのに。
これでは生存確認どころか顔もみたことがない。これでいいのだろうか。
配達する人によってこんなに違っていいのだろうか。
社会福祉協議会やヤクルト販売会社の真意は届いているのだろうか。

「ヤクルト貰っているのだから文句言わないでください」
悩ましい私がいる。

 雨は降り続いている。嫌なバアサン。こんなこと書くつもりなかったのに。
  
 雨音は春が来るよとささやいているように聞こえて嬉しいはずの私なのに。





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